木々が芽吹き、新緑の緑が鮮やかになって参りました。
みなさまお元気にお過ごしでしょうか。
本日は特にテーマを設けず、筆者が最近思ったことを思いつくまま書いていくという回にしたいと思います。
唐突ですが、年々異常気象が増えているように感じます。特に今年の冬は異常でした。
筆者は毎年冬季になると馬撮影のために北海道日髙地方に行きます。驚くことに今年筆者が訪問した時は全く積雪のない状態でした。どうやら気温の高い日が続いたため根雪にならなかった様子です。昨年も雪の少なさに驚きましたが、今年は現地に住む人から見ても異常だったようです。ちなみに、積雪が少なかった地域は日髙地方だけではありません。積雪量が多いことで知られる空知地方も少雪だったように感じました。上富良野に住む知人によれば、「今年は気温が高く雪が少ないね」とのことでした。一方、大雪により被害が出た地域もありました。帯広は半日で120cmの降雪があったと話題になりましたし、青森・秋田・山形・福島など東北地方では災害級の大雪になった所もありました。そのような状況を見ていると、地球温暖化が進んでいると言いますが、温暖化というより異常気象の増加あるいは極端現象の増加と言った方がしっくりきます。異常気象は日本だけでなく海外でも頻出しており、大雨、季節外れの大雪、嵐に遭う地域が増えています。そういった異常気象の増加傾向はこれからも続くでしょう。何となくそんな気がしています。
さて、異常気象が続くと「冬の北海道では雪が見られるもの」という印象が今後変わるかもしれません。牧場さんともそのような会話をしました。毎年冬の北海道滞在では雪景色の中にいる馬を見るのが筆者の楽しみです。今冬は滞在中雪の降る日があり、おかげさまで馬と雪景色を見ることができました。しかし、そのような光景が見られたのは1〜2日だけで、あとは全くorほとんど雪がないという状況でした。それはそれでよかったこともあったのですが、いつも見られると思っていたもの・あると思っていたものが、そうでなくなるということを肌で感じると、改めて世の中の無常さを感じます。
ここで思い出すのが10年程前筆者の家近くであった話です。春になると川の上空にたくさんの鯉のぼりが吊るされる場所があります。そして、川近くには菜の花がたくさん咲く場所がありました。風のある日に行くと鯉たちが空を泳ぎ、それが菜の花の色と相俟って、春らしく陽気な気分になれるという筆者お気に入りの場所です。写真としても絵になる場所でした。ある日撮影に良さそうな感じだったので写真に収めたのですが、ちょっとだけ納得いかない箇所がありました。しばらく待機して再度タイミングを待つかどうか迷ったものの、「退く頃合い」を感じたので、「来年もチャンスはあるだろうからその時撮ればいいか〜」と思い、その場を後にしました。一年後同じ場所を訪れるといつもと様子が違います。なんと菜の花が一本もありません。どうやら川の護岸工事で周辺の植物を全て取り除いてしまったようなのです。その際菜の花も一緒に切られたようでした。残念ながら、もう鯉のぼりと菜の花のコラボを見ることはできなくなっていました。この時も世の中の無常さを感じたことを覚えています。
世が無常であることは当然のことで、それをネガティブな意味としては捉えていません。漫然と過ごしていると、ついついそういった世の中の当たり前の理を忘れがちです。それを再確認できたという意味でよかったと思います。
訪れる場所も、出会う人やものも、どんなことも、同じ瞬間はなく、全て定常ではありません。どんな変化であろうと、それを貴重なものとして見つめ、世の移ろいを「あはれ」と感じつつ、楽しんで参りたいと思います。そんな風に感じる今日この頃でした。